プレスリリース

自転車ルールブックに関する提言を警察庁に提出

―「音が聞こえる」から「状況を把握する」へ、安全の考え方の整理を提案―

2026年4月13日 15時00分

一般社団法人音声情報アクセシビリティ(東京都、代表理事:吉岡英樹)は、2026年4月13日、警察庁交通局に対し、「自転車ルールブックにおける安全確保の考え方の整理および表現見直し並びに理解促進に関する提言」を提出しました。
本提言は、聞こえに困難のある人を含め、すべての人が安全に自転車を利用できる社会の実現を目的としたものです。

■ 背景
近年、自転車の安全利用に関するルール整備が進められる中で、イヤホン使用に関する規定において「周囲の音が聞こえること」が安全の前提として示される場面があります。
一方で、聴覚障害があり、補聴器や人工内耳を装用している場合であっても、現行の法制度においては自転車の運転が一律に禁止されているものではありません。
また、補聴器や人工内耳を装用している場合でも、聞こえ方には個人差があり、必ずしも十分に音を把握できるとは限りません。さらに、クラクションなどの警告音と会話音声では音の性質が大きく異なるため、「聞こえるかどうか」を一律の基準として安全性を判断することは難しい側面があります。
こうした状況の中で、現行のルールブックの表現は、聞こえに困難のある人の運転が危険であるかのような誤解を生じさせる可能性があると考え、本提言を取りまとめました。

■ 提言のポイント1.安全の考え方の整理
安全確保の前提を、「音が聞こえること」から「周囲の状況を把握すること」へと整理することを提案しています。
2.ルールブックの表現見直し
「周囲の音に注意する」という表現を、「周囲の状況に注意する」へと見直し、目で確認することなども含めた多様な安全確保の方法を示すことを提案しています。
3.安全評価の考え方の明確化
聞こえの状態ではなく、周囲の状況への注意や認知に基づいて安全性を評価する考え方を明確にすることを提案しています。
4.警察官への理解促進・研修
見た目では分かりにくい聞こえの困難や、補聴器・人工内耳の特性についての理解を深めるとともに、音響シミュレーションによる体験や、視覚的な手段を含めた現場対応の研修の実施を提案しています。

■ 今後の展望
本提言は、特定の人のための配慮にとどまらず、すべての人にとって安全で分かりやすい交通環境の実現につながるものです。
今後も、音声情報アクセシビリティの観点から、交通、防災、教育などさまざまな分野において、誰もが情報にアクセスできる社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 音声情報アクセシビリティ

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